あなたは歯磨きを何のためにしていますか?  虫歯予防?歯槽膿漏予防?自分のため?人のため?知らなかった歯磨きのびっくり効果!

概要
⓪ 口腔ケアによって、細菌やウイルス感染防御に重要な分泌型IgAを守りましょう。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と戦ってくれることに期待をして。


① 口腔ケアは主に虫歯や歯槽膿漏の予防目的で行われていますが、それ以外にもたくさんの効果があります。

② 口の中には300〜500種類、何億ものばい菌が存在し、プラークとして口腔内に付着しています。それは歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスなどによる機械的清掃でしか除去できません。


③ 口腔内のばい菌は、糖尿病、感染性心内膜炎、誤嚥性肺炎とも深い関わりがあります。


④ 食べない人、喋れない人にこそ口腔ケアは重要です。口腔ケア用品自体も清潔に保ちましょう。入れ歯は夜ははずしましょう。

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歯磨きはインフルエンザ予防にも効果的!
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にも期待して!

covid-19が世界的に猛威を振るっています。生きている間にこんなにボロボロの世界を見るとは思わなかったというのが実感です。まさに全世界で戦争が起きたようです。

感染者数が拡大している都道府県や国が種々の対策を打ち出していますが、個人でできる対策はないのでしょうか?

私が発信できる対策はこれしかありません。歯磨きです。へッ!そんなもの!と思わずもう少し読んでみてください。

ウイルスは目から鼻から口から侵入し最終的に肺に入って肺炎を起こし重症化すれば生命に関わります。コロナウイルス感染症になってからの治療は医師に委ねるしかありませんが、その前に自分でできることがあります。

コロナウイルス対策として 手洗いうがいが推奨されていますが、それに歯磨き、十分な歯磨きを加えていただきたい。

歯磨きを加えていただきたい理由は以下のようなものです。

ウイルスは生物と非生物の中間のようなもので、単独では生きていけません。他の細胞の中に入って増えるのです。

インフルエンザウイルスは気道上皮細胞(喉の細胞)に入り易い特徴を持っていて、その中に侵入し増殖します。

その後、増えたウイルスはその細胞内から出て行きますが、細胞内で増えたウイルスを細胞から出して拡散させるために働くのがノイラミニダーゼです。

インフルエンザのときに使う薬にも、このノイラミニダーゼを阻害(邪魔する)ことでインフルエンザウイルスが広がらないようにしている薬もあります。

ノイラミニダーゼというのは、少し難しいですが、プラーク(ここでは口腔内細菌の塊のこと)の中のクオラムセンシング機構というものを介して作られます。プラークのクオラムセンシング機構を介して、その他にもプロテアーゼなどが産生されます。

唾液には分泌型IgAというものが含まれています。これは、粘膜上で病原細菌やウイルスなどに対して防御的役割を担っています。この分泌型IgAもプロテアーゼが分解するのです。

口腔衛生状態が悪くなる(プラークが形成される)と、インフルエンザウイルスから体を守っている免疫機能(分泌型 IgA)も妨害され、その結果インフルエンザウイルスは増えやすくなるのです。

わからないことが多い今話題の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですが、ウイルスなどに対して防御的な役割を持つ分泌型IgAに期待を持ちたいところです。

十分な口腔ケアで、細菌やウイルス感染防御に重要な分泌型IgAを守りましょう

新型コロナウイルス予防対策として、手洗いうがいが推奨されていますが、ぜひプラークコントロールとしてのしっかりとした歯磨き(口腔ケア)も加えていただきたいと思います。

「歯磨きしているよ!」と言われる方のうち大部分の方の歯磨きは不十分です。

歯磨きの仕方は、最初数回下を向いてうがいをし大きな汚れや浮遊しているばい菌などを洗い流した後、よく水で洗った歯ブラシに水以外のものは何もつけずにしっかり隅々まで歯磨きましょう。

うがいの後、若い人や歯周病が進行していない人は、フロスを使い、ある程度高齢の方や歯と歯の間に隙間がある人は歯間ブラシを使って、しっかり歯と歯の間の細菌(ばい菌)を除去しましょう。

そして舌の上も細菌のすみかです。痛くない程度に、シリコン性もしくはスポンジ製の舌磨きなどで優しくケアしましょう。適宜下向きでうがいをしてください。

うがいができない人はガーゼなどで拭き取ってください。

どうしても歯磨粉(ペースト)をつけないと歯磨きをした気になれないという方は、それからもう一度ペーストをつけて歯磨きをしてください。最初からつけると、磨けていないのに磨けた気分になってしまいまいがちです。

歯磨きはいろんなおトクがいっぱい!

歯磨きは一般的に、虫歯予防、歯槽膿漏予防やそれらの進行防止のためにされている方が多いと思います。

人によって違いますが、大まかに言うと高校生ぐらいまでは虫歯予防、20歳くらいから以降は歯槽膿漏予防+虫歯予防、40歳以降は歯槽膿漏予防、進行防止と歯磨きの目的は少しずつ変わっていきます。

それはあくまで、歯を中心にして考えた歯磨きです。歯磨きにはもっと深い目的及び効果があります。

 口の中に居候するものたち

口の中には約300種類、何億個というばい菌(細菌)やカビ類(真菌)などが住んでいます。

とても小さいので、そのままでは見ることはできませんが、確実に誰の口の中にもおびただしい数の細菌たちが住んでいます。

口の中にいるばい菌が出す酸によって歯が溶けたのが虫歯です。また、ばい菌が出す毒素によって歯の周りにある歯茎や、歯を支えている骨を溶かした状態が歯槽膿漏です。そのほかにも肺炎を起こす菌も住んでいます。

口の中にいるばい菌は、その周りにネバネバした物質を作ります。その中にたくさんのばい菌が集まってプラーク(バイオフィルム)という状態で歯や歯茎などにくっついています。

プラークはいうなれば、糊のようなものの中にたくさんのばい菌が生活している状態です。歯、歯茎や舌の表面についたプラークはうがい程度では落とせません

ほとんどの歯磨き粉(ペースト)は、すっきり感がする成分が添加されているため、まだ、ほぼ磨けていないのに磨けたような感覚になってしまいがちです。

もし使用する場合は、一度しっかり歯磨をしてうがい後(しっかり細菌を追い出した後)、ペーストをつけて磨きましょう。

洗口剤もプラークの中にまでは入っていけないと言われています。

では、どうすればいいのでしょうか?歯ブラシ、歯間ブラシ、糸ようじ(フロス)を使った歯面と歯間部の清掃および舌ブラシによる舌の清掃です。

虫歯や歯槽膿漏を予防するには、歯磨き(口腔ケア)で細菌をコントロールするのが最良の方法です。

口腔常在菌叢(こうくうじょうざいきんそう と読みます)といって口の中にはある程度の細菌がいて、そのバランスが取れているのがいい状態なのです。

しかし、どんなに頑張っても口の中の細菌をゼロにはできません。抗生剤や含嗽剤(うがい薬)の影響で口腔常在菌叢のバランスが悪くなり、口の中にカビが生えてしまうこともあります。
うがい薬などを使い続けることはあまり良くありません。

歯磨きの深〜い効果、目的

誰の口の中にも何億ものばい菌が住んでいます。
繰り返しになりますが、ある程度ばい菌が住んでいる状態がごく普通の状態なのです。しかし、口の中の細菌は油断をしているとすぐに増えます。

また、外から種々のばい菌が新たに入ってきます。そして、いろいろな悪さもします。

外から入ってきたばい菌には口腔内に付着→定着(増殖)するものと、唾液によって付着すら阻止されるもの、付着はできても口腔内の常在菌によって定着を阻害されるものもいます。

プラークの中にいるばい菌は虫歯、歯槽膿漏の他にも感染性心内膜炎の原因菌になったり、糖尿病の血糖値コントロールにも影響を及ぼすと言われています。

また、誤嚥性肺炎の原因菌にもなります。誤嚥性肺炎の誤嚥というのは、飲み込んだ(嚥下 えんげ と読みます)ときに本来食道に入っていくべき飲食物などが、間違って気道に入っていくことを言います。

誤嚥性肺炎というと、脳卒中などによって、飲み込みに障害がある人が、飲食物を飲みそこなったときに気道の方に落ち込んで行き、その結果肺炎を起こすことが知られています。

しかし、高齢になると食物と関連する誤嚥性肺炎(顕性誤嚥…はっきりした誤嚥、ムセが見られる)より、不顕性誤嚥(誤嚥してもムセない)といわれる誤嚥の方がむしろ問題だと言われています。

不顕性誤嚥は、夜寝いている間に、ほとんど気がつかない間に、自分の唾液を飲み込みそこなうことによって起きやすいです。

顕性誤嚥でも不顕性誤嚥でも、誤嚥をしてすぐに肺炎を起こすわけではありません。誤嚥したばい菌の質と量にもよりますが、その人の持つ抵抗力が十分であれば肺炎にまでは進展しにくいと考えられています。

口腔内のばい菌の量が少ないほうが、同じ量の食物や唾液を誤嚥したとしても、肺に入るばい菌の量も少ないということは容易に想像できると思います。

歯磨きをして、プラークをコントロールをすることによって、口の中のばい菌はかなり少なくなります。

誤嚥製肺炎予防のためにも、ぜひしっかりとした口腔ケア(歯磨き)をしましょう。

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